2011年12月30日
壬生義士伝
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人の世の耐え難きをよく耐えて、すわ剣を握ったそ
のときに、かくも果敢に戦うものこそ南部武士の誉れ
じゃと。
貧と賤と富と貴とが、けっして人間の値打ちを決めは
しない。人間たるもの、なかんずく武士たる者、男た
る者の価値はひとえに、その者の内なる勇気と怯懦
とにかかっているのだ、とね。
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南部盛岡は江戸より百四十里、奥州街道の涯(は
て)ゆえ、西国のごとき実りはあり申さぬ。おぬしらが
豊かな西国の子らに伍して身をば立て、国ば保つの
は並大抵のことではねえぞ。
盛岡の桜は石ば割って咲ぐ。盛岡の辛夷は北さ向い
ても咲ぐのす。んだば、おぬしらもぬくぬくと春ば来る
のを待つではねぞ。南部の武士ならば、みごと石ば
割って咲げ。盛岡の子だれば、北さ向いて咲げ。春
に先駆け、世にも人にも先駆けて、あっぱれな花こ
ば咲かせてみろ。
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男なら潔く生きなせえよ。潔く死ぬんじゃあねえ。
潔く生きるんだ。潔く生きるてえのは、てめえの分を
全うするってこってす。てめえが今やらにゃならねえ
こと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、てめえにしか
できねえことを、きっちりとやりとげなせえ。
そうすりゃ誰だって、立派な男になれる。
(略)
なあに、難しいことなんざひとっつもありゃしやせん。
女房子供や身内の苦労を、男だったらそっくり背負
えってこってす。
(略)
客人もこの先長え人生、功名を挙げようなんてケ
チな了簡はお捨てなせえよ。
ただひたすら男らしく生きなせえ。
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あんまり本を読んで泣かないんですよ、私は。
でもね、この本は泣かずにはいられなかった。
でも、単なる感涙本ではないんだな。
どんな啓発本よりも、これほどまでに自分の“男とし
ての”生き方を考えさせらた本はありませんでしたよ。
文庫本に、こんなに付箋を貼ったのも初めてだし、す
ぐにでも、もう一度読み返したいと思ったのも初めて。
私にとって、まさに「天啓の書」と言っても良いかもし
れない。
いつもそばに置いて、くだらないことに悩んだときは
この本を捲ってみたいと思う。
南部盛岡は江戸より百四十里、奥州街道の涯(は
て)ゆえ、西国のごとき実りはあり申さぬ。おぬしらが
豊かな西国の子らに伍して身をば立て、国ば保つの
は並大抵のことではねえぞ。
盛岡の桜は石ば割って咲ぐ。盛岡の辛夷は北さ向い
ても咲ぐのす。んだば、おぬしらもぬくぬくと春ば来る
のを待つではねぞ。南部の武士ならば、みごと石ば
割って咲げ。盛岡の子だれば、北さ向いて咲げ。春
に先駆け、世にも人にも先駆けて、あっぱれな花こ
ば咲かせてみろ。
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男なら潔く生きなせえよ。潔く死ぬんじゃあねえ。
潔く生きるんだ。潔く生きるてえのは、てめえの分を
全うするってこってす。てめえが今やらにゃならねえ
こと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、てめえにしか
できねえことを、きっちりとやりとげなせえ。
そうすりゃ誰だって、立派な男になれる。
(略)
なあに、難しいことなんざひとっつもありゃしやせん。
女房子供や身内の苦労を、男だったらそっくり背負
えってこってす。
(略)
客人もこの先長え人生、功名を挙げようなんてケ
チな了簡はお捨てなせえよ。
ただひたすら男らしく生きなせえ。
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あんまり本を読んで泣かないんですよ、私は。
でもね、この本は泣かずにはいられなかった。
でも、単なる感涙本ではないんだな。
どんな啓発本よりも、これほどまでに自分の“男とし
ての”生き方を考えさせらた本はありませんでしたよ。
文庫本に、こんなに付箋を貼ったのも初めてだし、す
ぐにでも、もう一度読み返したいと思ったのも初めて。
私にとって、まさに「天啓の書」と言っても良いかもし
れない。
いつもそばに置いて、くだらないことに悩んだときは
この本を捲ってみたいと思う。
Posted by ug at 22:00│Comments(0)│ほんのはなし
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