2012年08月05日

『超バカの壁』



もう6年も前に出版された本なんだけれども、ベストセラーになった『バカの壁』の続編だというので読んでみたくなったのでした。

『バカの壁』がそうだったように、口述筆記で書かれた口語体の文章はとても読みやすくて、遅読の自分でも2日で読み終えました。
内容的には『バカの壁』とはちょっと違って、現代社会が抱える諸問題に対して、どう考えたらよいかを氏の視座でスパッと答えてくれています。

口述筆記故か、様々なテーマを扱いすぎて散漫な印象はありますが、参考にはなりました。
特に自分の印象に残っている…というか、シンパシーを感じたのは、テロの問題について、「予防の大切さ」と「保守の意味」の中で語られている「起こらなかったことの重要性」という部分です。

自分のメモの意味でも、原文を抜粋しておきましょう。

------------------------------------以下抜粋--------------------------------------------------

保守の意味
 昔の人の方が意外にそういう「起こらなかったことの重要性」を知っていたように思います。社会について考えるときには、実はそういうことが理解されることのほうが大切なのだという気がするのです。
 保守的というのは実はそういうことなのです。日々平穏というのは日常どおりのことをやっていて何も起こらないということです。それが実は予防ということです。
 それは現代の普通の人の考え方とは違うかもしれません。多くの人は社会が進歩するというのは、どんどん変わっていくことだと捉えがちです。
 でも、そうではなくて社会が本当に進歩するというのは、どんどん変化するのではなく日々平穏になっていくということなのではないでしょうか。つまり、我々が今防げない危険をだんだん封じ込めていけるようになることが進歩しているということになる。
 それが根本的な意味で発展しているということだと思うのです。その逆をやって不安だ不安だと言っているのが現代人です。起こる原因のほうは放置しておいて、結果のほうだけ何とかしようとしているように私には見えます。

------------------------------------ここまで--------------------------------------------------
          
どうでしょう?
自分の場合ちょっと意味合いは違うのだけれども、心を痛めるようなことのない、平穏な一日のありがたさというものを最近しみじみと感じるようになってきたので、「進歩=人間がより幸せに生きていけるようになること」と考えると、とても共感できるのです。

---------------------------------以下個人的メモ-------------------------------------------

「超バカの壁」 養老孟司 新潮新書

・若者の凶暴化→老人などと接点を持つ機会が高くなったから。

・ニート
昔は憧れ。資産家しかなれなかった。

・仕事
仕事とは社会に開いた穴。「自分にあった仕事」なんかない。

・秀吉の草履取り
秀吉は頭が良かったという話しではなく、「本気でやる」ことの大切さ。

・ニートに感謝
初めから脱落してくれている。自分の価値が上がる。

・オンリーワンよりただの人
オンリーワンを声高に主張するのは外側に自分で壁を作っているから。

・日本においては「私」=「家」(公私の私)
「自分にあった仕事」「自分探し」=西洋近代哲学的な「私」
世間社会に仕事があって、そこに自分をはめ込んでいくのが日本の社会システムだった。

・「起こらなかったことの重要性」=「保守」
予防の効果はわからない。日々平穏=予防
社会の進歩…変わっていくのではなく、日々平穏になっていくこと。

・「衣食足りて礼節を知る」
衣食が足りないうちはまともな考え方は出来ないということ。

・「女は強い」
「女は実態だが、男は現象である」
女XX染色体、男XY染色体…Y染色体はほんの少ししか働かない(7週目に精巣にするだけ)Y染色体が余計なことをしなければ女になる。
極端な社会的行動は男に多い。女の方が考え方も体も安定している。

・少子化
都市化と一体の問題。都市化は子育てに根本的に反する。

・反日
中韓は富国強兵という日本の物真似だから「あんたらが今やっているのは、日本が60年前までやっていたことで、おれたちはその先の次元に行っている」と言えばいい。「それはまずい」と言って良い。

・イライラ
何でも人のせいにしないと諦められなくなった。PTSDも同じ。昔は「仕方ない」「水に流す」があった。

・活字離れ
元来日本語は「読み」が中心の言語だから、活字離れはあり得ない。ネットやメールなど活字メディアも基本的に「読み」 TVも文字量が増えた。

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