通がうなるサクラ...続編
国指定天然記念物「大和桜」

さて、もったいぶって紹介の「通がうなる桜」第2 弾ですが、実はこれ、皆さんが期待されるような花の特徴ではないんです。

佐野藤右衛門翁が「見つけたら連絡を下さい」と言っていた「○○の山桜」の○○に入るのは「赤芽」でございました。
通がうなるサクラ...続編
この深紅の葉芽を「赤芽」と呼びます。この桜は花柄まで真っ赤

「赤芽」と言っても、わかる人は少ないと思いますが、ここでいう「芽」は、「花芽」のことではなく「葉芽(ようが)」のことです。

ソメイヨシノに慣れている方は、桜の葉が出てくることを「葉桜」と呼んで、それを花の終わりと思っているかもしれませんが、山桜は葉が同時または先行して出てくるのが特徴でもあります。

何度も紹介してしまいますが、地元のTAXIの運転手さんが、「磯部のサクラは見頃ですか?」と花見客に聞かれ、まだ咲き始めなのに「もう葉が出てきちゃったから終わりだよ」と答えたという笑えない話は、まさにソメイヨシノしか知らないことから起こる勘違いなのです。

通がうなるサクラ...続編
散ってもまた芽の色を楽しめるのも山桜の魅力です

ソメイヨシノと山桜の異なる点は、葉が先に出るか後に出るかだけでなく、開花の時期にもあります。

前回も書きましたが、ソメイヨシノはクローンなので、同様の環境であれば咲く時期も一緒です。
(ソメイヨシノに覆われている日本だから「桜前線」という言葉が生まれたのです)

しかし、山桜は同じ環境にあっても、1本1本咲く時期が異なります。

DNAが異なるので、花や芽の色、形などと同様、咲く時期にも個性があるわけです。

通がうなるサクラ...続編
赤芽の「葉桜」と開花している桜のコントラストも山桜の魅力(高峯)

山などに自生している桜を見てもらえばわかりますが、一斉に咲いて一斉に散るということはありません。

しかし、咲いているサクラは少なくなっても、さまざまな芽の色で楽しませてくれるので、まるでパッチワークのような華やかな景色を見ることが出来るのです。

通がうなるサクラ...続編
まるでパッチワークのような春の景色(雨巻山)

通がうなるサクラ...続編
咲いているサクラは少ないのに色とりどりに染まっています(雨巻山)

そんな中でも、やはり「赤芽」の山桜は、咲いていても散ってからも一際目立つんですよ。

何を隠そう、佐野藤右衛門氏同様、私も赤芽が大好きな人間の一人です。

通がうなるサクラ...続編
私の大好きな、狭弁、赤芽、旗弁ありの山桜

こうしてアップで見ると、ソメイヨシノにはない魅力を感じませんか?

山桜の魅力に取り憑かれると、芽のないサクラにはまったく魅力を感じなくなってくるから不思議。

もし、あなたが葉と同居するサクラに違和感を覚えなくなったら、それは山桜の魅力に少しずつ引き込まれているのかもしれません。

通がうなるサクラ...続編
国指定天然記念物「源氏桜」

桜川には、代表的な国指定天然記念物の「源氏桜」や「大和桜」はじめ、赤芽の山桜がたくさんございます。

是非今年は、芽の色にも注目して山桜をご覧になってみてください。

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この記事へのコメント
山桜って本当に魅力的なのですね。やはりソメイヨシノのイメージがついてしまっているので…今年はもっとよく観察して見ようと思います。高峯に是非行きたいと思いますのでいった際にはよろしくお願いいたします。
これからお忙しい季節になりますが、皆さま体調に気を付けて素敵な桜を観させてくださいね。
Posted by AMI at 2013年03月16日 11:27
>>AMIさん

山桜の魅力をご理解いただいてありがとうございます。

ソメイヨシノの視点で山桜を見る方は、ちょっと物足りないと思われると思います。
しかし、山桜の視点でソメイヨシノを見ると、もっと物足りなく感じてしまうのです。

日に日に山桜の季節も迫ってまいりました。
今はまだワクワクよりも、どうしようどうしようと焦るばかりですが、咲いてしまえばきっとそんな気持ちも吹っ飛んじゃうと思います。
頑張りま~す!!
Posted by ugug at 2013年03月16日 23:11
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