桜の名所のポテンシャル

引き続き一昨日の田中先生との観察会での話です。

我々と合流する前に田中先生は一人で園内を見て回られたそうで、到着するや「ちょっと嫌な枯れ方をしているところがありますね」と仰っていたのです。
元気な桜を見つける方が難しいくらい、樹勢の悪い桜ばかりの公園を見て回りながら、管理の悪さをいろいろ指摘されるのかな?と思っていたのですが、そこが田中先生の凄いところで、決してネガティブなお話しをされないのです。

そんなお話しの中で、私が一番勇気づけられたのはトップ写真の桜や↓の写真の桜を見ながら解説してくれた時のことです。

桜の名所のポテンシャル

園内にはこの2本のように、上部が枯死して胴吹き(幹や枝の途中に芽が吹くこと)だけ残された状態の桜の他にも、一枝を残して枯死しているような樹が何本もありました。

でもこれが、桜の名所のポテンシャルだと仰るんです。

桜川のサクラのように古くから桜の名所であったところというのは、要は桜にとっての「適地」だったわけで、こうして自身を更新して生まれ変わろうとしているということは、ここが桜に適した場所だからだということでした。

適さない土地ならただ枯れてしまうだけなのだそうです。

桜の名所のポテンシャル

数多くの桜の名所づくりに関わり、適さない場所で桜が上手く育たない事例をたくさん見てきた田中先生の言葉だけに、これは本当に嬉しいものでした。

ただし当たり前ですが、だから放っておいても良いというわけにはいきません。

公園というのは実は非常に「不自然」な場所で、常に下草が刈られ、落ち葉は除去されと、樹木にとって本来栄養になるものが何もない状態なのです。

枯れ草や自身が落とした葉が堆肥となり、これを養分にまた自身が育つという自然のサイクルがないわけです。

なので人為的に肥料をやる必要があるのですが、何度もここで書いてきたように、これがまったくされていないために、公園の桜は常に栄養失調状態にあるということです。

参加されたみなさんも、やっとこの辺りの事情を理解していただけたようで、あーしたらこうしたらと、いろいろと意見を出されていました。

こうした機会を作ったのも、我々が以前から訴えたかったことを理解してもらうためで、これだけを見ても今回の観察会は成功だったと思います。

しかし、桜川のサクラ復活にはもうひとつ大きな課題があるんです。

それについては、また明日。

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