一昨日の話になってしまいますが、若田さん、無事ISSに到着しましたね。よかった。

私も「仕事でリアルタイムでは見られない」と『いよいよ明日、若田さん搭乗のソユーズ打ち上げ!』で書きましたが、実はこっそりとスマホでネット中継を見てしまいました^^;

スマホのありがたさを実感しました

さて、手帳のことばかり考えていた先月でしたが、この間も地味に読書はしておりまして、前回の『ネットのバカ』以後も新書を中心に4冊ほど読み終えております。

実は先月から読後メモを書いている本があるのですが、なかなかまとまらず下書きのままになっていたりします。

いつまで経ってもまとまらないそちらは棚上げにし、ソユーズの打ち上げ成功に因んで、本日は『宇宙になぜわれわれが存在するのか-最新素粒子論入門』(村山斉著:講談社ブルーバックス)をご紹介します。

著者の村山斉氏は、1964年生まれの東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の初代機構長、特任教授で米国カリフォルニア大学バークレー校物理教室教授。

専門は素粒子物理学で、2002年に西宮湯川記念章を受賞している、素粒子理論のリーダーであり、基礎科学分野における若き指導者の一人です。

読書メモを書いていませんでしたが、村山斉氏の著書は、以前『宇宙は本当にひとつなのか-最新宇宙論入門』を読ませてもらいまして、素人の私にも非常にわかりやすく、且つ楽しく読ませていただいたのを覚えています。

村山氏は他の方の評価を見ても、宇宙論、素粒子論を素人向けに分かり易く解説する能力が抜きんでている方のようです。

前著が「ダークマター(暗黒物質)」や「ダークエネルギー(暗黒エネルギー)」、「多元宇宙」、「超ひも理論」など、最新の宇宙論全般について書かれているのに対し、今回はサブタイトルの通り、素粒子論の入門書となっており、その中でも特にニュートリノについて詳しく解説してくれています。

と、興味のない方にはまったくわからない言葉ばかりだと思いますので、私のような素人の言葉に訳すと、「素粒子」とは、物質を構成する最小単位のことで、一体我々や我々が存在するこの世界は何でできているのだ?ということをミクロに調べていくのが「素粒子物理学」ということになります。

宇宙論が太陽系→銀河系→銀河団というように、よりマクロに宇宙のことを見ていくのとまったく逆と言うことですね。

みなさんもご存知のように、一昔前まで、物質を作っている最小単位の粒子は「原子」だと思われてきました。

アトム(原子)の語源も、これ以上分割できないものという意味の、古代ギリシャ語のアトムスから来ています。

しかし、その後原子は「原子核」「電子」でできていることがわかり、更に原子核は「陽子」「中性子」でできていることがわかりました。

更に更に、陽子と中性子は3つの「クォーク」でできていることがわかってきます。

こうして様々な素粒子の存在が明らかになってきたわけですが、それと同時にどのような物質(粒子)にも必ず「反物質」があることもわかってきたのです。

1932年に発見されたこの反物質は、物質が生まれる時に必ず一緒に生まれる(「対生成」と言います)ことがわかっており、この対になっている二つの物質が出会うと、「対消滅」という現象が起こり、物質も反物質も消滅してしまうと言います。

消滅してエネルギーに変わってしまうのですが、これを説明しているのが、かの有名なアインシュタインの特殊相対性理論「E=mc²」です。

このエネルギーは莫大で、もし物質の質量がすべてエネルギーに変わってしまったとしたら、同じ重さのエンジンの中でガソリンを爆発させた時の3億倍のエネルギーになるそうです。

0.25gの物質が、同じ量の反物質と出会うと、広島原爆と同じだけのエネルギーを発生するのだとか。

しかし、我々は消滅せず、エネルギーに変わることなく存在している。

調べると、この宇宙にも反物質はほとんど見あたらないのだそうです。

ところが、宇宙が誕生した直後まで時間を巻き戻すと、たくさんの反物質があったことがわかっています。

宇宙が原子よりもっと小さくて熱かったころ、物質と、その反物質が衝突しては消え、新しい物質と反物質が生まれては消えて…そんなことを繰り返していたそうです。

そもそも、反物質は物質と同じ数だけ誕生しているわけで、しかも消滅するにはペアにならないといけないわけですから、反物質が存在していた分だけ物質も消滅したはずです。

普通に考えれば宇宙には何も残らずに、物質も反物質もない世界になるはずでした。

一体反物質はどこに行ってしまったのでしょう?

この謎がもうすぐ解けるかもしれないのですが、その鍵を握っているのが「ニュートリノ」だと考えられています。

本書では、この「ニュートリノ」について、わかりやすく解説してくれているわけですが、著書紹介には次のように書かれています。

・いったいニュートリノにどうして質量が生まれたのか?
・ニュートリノはどうしてこんなにたくさん宇宙に存在しているのか?
・なぜニュートリノには左巻きしか存在しないのか?
・右巻きニュートリノはどこへ消えたのか?
・ヒッグス粒子によってニュートリノはどうやって質量を得たのか?
・右巻きニュートリノがインフレーションを起こしたって本当?
・ヒッグス粒子は「顔なし」ってどういうこと?

これらの謎を解き明かしていくと、そこには思いもよらない結末が…。

興味のある方は、スラスラと一気に読める本ですのでぜひご一読を。


さて、私の感想ですが…

最新素粒子論については非常に楽しく読ませていただきました。

しかし、タイトルの「宇宙になぜ我々が存在するのか」を考える時、私のような文系人間は「宇宙は何でできているのか」とは考えません。

そういう意味では、私の考える「宇宙になぜ我々が存在するのか」には答えてくれないわけですが、物理学者が考えると、こういう突き詰め方になるのでしょう。

「私は哲学者ではないし、進化生物学者でもない。しかし一つだけ言えることは“材料”がなければ私たちは存在しなかったということだ」と、「おわりに」で書いているようにこれが結論のようです。

こうした書を読んでいつも思うのは、我々の身体がなにで出てきているか解明できても、動物や植物などを作り出す「秩序」に対する答えは見つからないんじゃないかということです。

いまだに科学が無から木の葉ひとつ作り出せないように、「材料」がわかっても、それだけでは「なぜ存在するか」はわからない。

私には、そこに何らかの「意志」が働いているように思えてならないわけです。

「そちらは哲学や宗教の世界」ということになるのかもしれませんが、私にはそちらの方が気になるなぁ。

『ニュートリノとは』KAMLANDさんのサイトで解説してくれています

『宇宙になぜ我々が存在するのか』



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