茨城県人の皆さん、今年は筑波研究学園都市50周年にあたる年だとご存知でしたか?

「そんなに経ってないだろう」と思われる方が多いと思うんですが、私も研究学園都市という言葉を知ったのは、たぶん「つくば科学万博(EXPO85)」辺りからのような記憶があります。
だとすれば、せいぜい30年程度のはず、なにゆえ「50周年なのか?」

筑波研究学園都市がどのようにできあがったのか、簡単にご説明してこの疑問に答えたいと思います。


現在の筑波研究学園都市 (画像:「科学の街 TSUKUBA」)

そもそもは、1950年代の東京における急激な人口増加による過密状態が始まりです。

首都への過度の人口集中を危惧した当時の政府は、この問題の解消のためには、首都機能の一部を移転しなければならないと考え、1956年(昭和31年)に「首都圏整備委員会」なるものを設置、移転先の検討を進めました。

1963年(昭和38年)には、移転の候補地として富士山麓、赤城山麓、那須高原、筑波山麓が選ばれ、実地調査を行った結果、同年9月に筑波山麓(現在のつくば市と牛久市)に4,000haの研究学園都市を建設することを閣議了承しました。

この閣議了承の日をもって「筑波研究学園都市誕生」としていることから、今年が「50周年」となったというわけです。

さて、閣議了承の翌月には、委員会が筑波ニュータウン計画を提案しますが、地元住民の激しい反対にあい、田畑・人家をできるだけ避けた赤松林を中心に造成、計画面積を2,700haに縮小した案で建設の計画が進められることになりました。

学園都市が南北に細長いのはこのためです。

ちなみに、首都機能の一部移転についてですが、1967年に6省庁43機関を移転することが閣議了承されたもののなかなか移転が進まず、1970年(昭和45年)に筑波研究学園都市建設法を施行することでやっと建設が進み、1980年(昭和55年)に移転が終了しました。

1985年(昭和60年)の「国際科学技術博覧会(EXPO'85)」は、この筑波研究学園都市の国内外に対する知名度の向上と、民間企業誘致のために開催されたもので、これにより中心部の商業施設や交通機関の整備も急速に進みました。


1985年に開催された「国際科学技術博覧会(Expo85)」

現在はつくば市の中心として、約300に及ぶ研究機関や企業に2万人を超える研究者を擁し、博士号を取得した日本人7千人以上を擁する、世界有数の学術・研究都市となりました。


とまぁ、簡単に筑波研究学園都市について解説してみたわけですが、成り立ちを見てみると、やはりわれわれ一般市民が「30年くらい?」と感じるのは間違いではなかったようです。

さて、そんな50周年という節目を迎え、茨城県やつくば市、筑波大学を中心に実行委員会が設置され、記念事業が展開されています。


市原健一つくば市長の式辞

私は桜川市民でありますが、なぜか12日に行われた「筑波研究学園都市50周年記念式典」に参加してまいりました。

式典の概要は以下の通りです。

【会場】つくば国際会議場 大ホール

【内容】
第1部 基調講演
テーマ:「筑波研究学園都市50周年の歩みとつくばへの期待」
講演者:◆まちづくりの視点から
       政策研究大学院大学客員教授(つくば大使)三井 康壽 氏

     ◆科学者の視点から
      大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授
       (平成20年ノーベル物理学賞受賞,つくば市名誉市民)小林 誠 氏

第2部 協定調印式及び宣言
テーマ:「筑波研究学園都市50周年の成果と新たな決意」
     (1)つくば市・グルノーブル市姉妹都市協定調印式
     (2)つくば宣言

第3部 記念講演
テーマ:「つくば国際戦略総合特区」の取組み(筑波大学開学40+101周年記念連携)
挨拶:つくばグローバル・イノベーション推進機構長
講演者:4つの先導的プロジェクトのリーダー等
     (1)次世代がん治療(BNCT)の開発実用化
     (2)生活支援ロボットの実用化
     (3)藻類バイオマスエネルギーの実用化
     (4)TIA‐nano世界的ナノテク拠点の形成

いかにも研究学園都市らしい式典ですが、私の目当てはもちろん、基調講演のノーベル賞物理学賞受賞者である、小林誠博士でした。



先日ここで書きました『宇宙になぜ我々が存在するのか-最新素粒子論入門』を読んだばかりでしたし、生で物理学者のお話が聞けるということで、とても楽しみにしていました。



講演のタイトルは『つくばで生まれた高エネルギー物理学の成果』というもので、主に小林博士が現在名誉教授を務める「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」の成り立ちから、ここで生まれた研究成果についてのお話しでした。

筑波研究学園都市の北の端にある同施設は、一般公開で私も見学させてもらったことがありますが、ここにあるBファクトリーという施設のおかげで、「CO対称性の破れ」※が実証され、小林博士がノーベル賞を受賞することとなったわけです。

※小林博士も登場する『カソクキッズ(CP対称性の破れ)』をどうぞ


「CP対称性の破れ」を実証した実験結果の図

式典の性格から、わかりやすく大まかに解説をしてくれたのは間違いないわけですが、さすがそこは博士、それでも十分一般人には理解不能なお話し満載でした^^;


講演する小林博士

長くなるので解説は避けますが、中身はまさに先日の『宇宙になぜ我々が存在するのか-最新素粒子論入門』そのもので、理解できたかどうかは別として、個人的にはとても満足でした。

式典はその後、50周年を機に姉妹都市提携を結ぶこととなったフランスのグルノーブル市との調印式や、「つくば国際戦略総合特区」の取り組みについての記念講演などあったようですが、私は博士の講演が終わったところで会場を後にしました。

市のHPを見たところ、残念ながら記念事業のほとんどは9月に終了しているようですが、「つくばサイエンスツアー」などもありますので、みなさんも是非50周年を迎えた研究学園都市を訪れてみてはいかがでしょう。

『つくば市』



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