2014年02月07日
中身はないけど映像最高!!…映画『ゼロ・グラビティ』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレビューついでに、『ゼロ・グラビティ』も書いてしまおうと思います。
こちらはたぶんもうすぐ上演終了の映画館も多いと思いますので、過去記事として、私のメモ書き程度に残しておこうと思います。(この記事は2/8に書いています)
今回はネタバレごめんなさいで、ある程度ストーリーにも踏み込んで書いてしまいます。
最近“宇宙好き”の私としては、様々なメディアでの評判を聞く前から、是非観てみたいと思っていた映画でした。
(それにしては随分遅くなってしまったわけですが…^^;)
果たして、ラジオ等での宣伝や評判は「宇宙ってこんなに怖いところだったのか」的なものが多かったのを覚えています。
これを聞いていた私は、『アポロ13』のように、さぞや怖ろしい事故が次々に起こるのだろうと思っていたのですが、いざ映画を観てみると、わけのわからない理由で宇宙ゴミが衝突してくるという、なんとも大雑把な設定に出鼻をくじかれました。
たぶんに「ケスラーシンドローム」と呼ばれる、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の連鎖的な衝突のことを言っているのかもしれませんが、なんでわざわざロシアが不要になった衛星をいくつも爆破するのか、そしてその情報をNASAが事前に知らされていない辺りわけがわかりません^^;
続いて、宇宙飛行士であるサンドラ・ブロック演じるライアン博士の鈍くささに、イラッときまして「ありゃりゃ」となりました。
レビューでは「サンドラ・ブロックの演技力が光った」という評価が多かったのですが、鈍くさい宇宙飛行士を演じるという意味でならば、確かに演技力は抜群でした。
ジョージ・クルーニー演じるマットは、いかにも宇宙飛行士然として好感が持てましたが、『ゴースト』のように幻となって出てくる姿はいただけません。
「宇宙=スピリチュアルな世界」は、ノーサンキューです。
で、あまり中身がないままに、ライアン博士は無事帰還するわけですが、マットと別れてから帰還までの一連の流れは、観客に「なんで!?」という疑問を抱かせないためか(?)、一気呵成に進んでいきます。
でもって、着陸地点には誰もいなかったりして、最後の最後まで「ありゃ?」な展開のストーリーでした。
と、ここまでは脚本についての話し。
酷評しているようですが、実は映像にはかなり感激しています。
CG技術の発達もありますが、メイキングビデオを見させてもらったら、ものスゴイ特撮機械を作って撮影しているんですね。
「カメラが止まっていることはない」というように、人間の動き+カメラの動きであの自然な宇宙遊泳感を表現しているのです。
そういう意味では上述のサンドラ・ブロックの演技も、「動き」という部分では相当高い評価ができると思います。
もちろん、国際宇宙ステーション(ISS)が、スペースデブリの衝突で破壊されるシーンなど、CGの出来も完璧です。
出演者は、ほぼジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックの二人だけですし、1億ドルの制作費のほとんどは映像技術のために使われたのではないかと思います。
上述の通り、中盤からの帰還シーンがかなり忙しいせいか、90分という上映時間の短さもあって、「もう少し宇宙を見させてくれぇ!!」という、物足りなさ感じてしまいました。
人間が宇宙に留まることの大変さを、もう少し詳しく映像で表現してくれたら大満足だったんですけどねぇ。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とは逆に、『ゼロ・グラビティ』は“30分足りない”映画でした。
そういえば、私は3D版を観たのですが、この映画は3Dで観て大正解でした。
3D映画特有の、「モノが目の前に飛んでくる」ような無駄な演出ではなく、無重力の世界を“奥行きを持って”表現するために使われていて、私が初めて「3Dも良いなぁ」と思った映画です。
というわけで、ストーリー的にはイマイチな『ゼロ・グラビティ』でしたが、それを補ってあまりある映像に救われました。
せっかくの特撮機械なので、これを使ってお腹いっぱいになるくらい宇宙空間の映像を楽しませてくれる作品を期待しています。
『ゼロ・グラビティ』
『ゼロ・グラビティ メイキング映像』(動画)
Posted by ug at 23:30│Comments(0)│ざっき
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