先月末に、各メディアでも報道されていたのでご存じの方も多いと思いますが、総務省が2015年の実施を目指し、「SIMロック解除」をキャリアに義務づける方針を正式に発表しました。

これまで「顧客の囲い込み」と批判されていたSIMロックが解除されれば、われわれ一般ユーザーには大きなメリットがあるかのように言われていましたが、果たして本当なのでしょうか?


まずはその前に、「SIMロック」についてご存じない方のために、簡単に解説してみます。

携帯端末は固有のID番号が記録された「SIMカード」というものを差し込むことで電話番号が特定され、通話や通信が出来るようになっています。

このSIMカードは現在、docomoで購入した携帯やスマホでは、docomoのSIMカードしか利用できないように制限が掛けられています。



この制限を「SIMロック」と呼ぶわけです。

ですから、同じ通信規格の携帯やスマホであっても、キャリアを変えたときには、新たに携帯やスマホを買い換えなければなりません。

「SIMロックの解除」とは、この制限をなくすということです。



SIMロックが解除されれば、docomoで買ったiPhone5sを利用している人が、Softbankにキャリアを乗り換えた際、手持ちのiPhone5sにSoftbankのSIMカードを挿せば、そのまま使えるようになるわけです。

これを、キャリアに拘束されない(SIMロックのない)ことから「SIMフリー」と呼んでいます。




では、もしSIMロックが解除されたとしたら、われわれが受ける恩恵にはどういったものが考えられるのでしょうか?

1.キャリアの乗り換えが容易になる
上述の通り、手持ちの携帯端末に他キャリアのSIMカードを挿しても利用できるようになるので、買い換えの必要もなくなり、より料金が安く、サービスの良いキャリアに簡単に乗り換えられるようになります。

2.通話や通信料金の値下げが期待できる
1.によってキャリア間のサービスの競争が活発化すれば、料金の値下げやサービスの向上が期待できます。

現在大手キャリア3社は、どこも横並びの料金設定となっており、SIMロック解除がきっかけとなって、更なる低料金化への動きが加速するかもしれません。

3.格安MVNOのサービスが利用できるようになる
4月にイオンが「月額2980円」の格安スマホを発売して話題になりましたが、この際イオンが提携した通信業者は日本通信というMVNOでした。



MVNOとは、自社独自の回線網を持たず、NTTドコモのような通信設備を持つ事業者から通信サービスを利用する権利を借り受けて、ユーザーにサービスを提供(転売)する通信事業者のことを言います。

Mobile Virtual Network Operatorの略で、日本語に訳すと「仮想移動体通信業者」となります。

SIMフリーになれば、手持ちの端末や中古の端末を使い、こうしたMVNOサービスに移行するのも簡単です。

また、現在のように高スペックのスマホが必要ない方や、通話ばかりとか通信ばかりといった、個別の利用状況に対応した料金プランが欲しいと思っているユーザーには、MVNOを利用することで無駄のないプランを選ぶこともが出来ます。

更に、海外旅行などの際にも、自分の端末を持っていって、現地のSIMカードを挿せば、格安で通信できるというメリットも考えられます。




しかしながら、専門家の中にはSIMロック解除されても、短期的には一般ユーザーにさほどメリットがないと指摘する人が結構います。

それらの理由を見てみましょう。

1.端末の分割払いと連動した料金サービスがなくなる
これまで大手キャリアは、高額な端末の料金を分割払いで購入させ、使い続ければ通信料金の値引きで相殺され、最後は実質ゼロ円になるというサービスを行ってきました。


docomoの「実質0円」キャンペーン

世界的に見て、高価なiPhoneが日本でこれだけ普及している理由は、こうしたサービスのおかげと言われています。

このサービスがなくなれば、高価な端末を一括購入するか、割引なしの単純な分割払いになってしまいます。

基本料金が下がっても、分割価格が上がれば、端末代金を払っている間はハイスペックな端末になればなるほどメリットがなくなるわけです。

2.MNPによるキャッシュバックなどのメリットがなくなる
現在、大手キャリアは、各社とも顧客を囲い込むために、乗り換えの際には1契約で数万円のキャッシュバックを行っています。

家族みんなでMNPすれば、それこそちょっとした収入になってしまうほどで、2年間の継続利用という縛りはあっても、これは魅力的です。


某携帯ショップのキャンペーン広告

今年3月の契約のかき入れ時には、東京の携帯ショップで「MNPで最大20万円!」などといった高額キャッシュバックが氾濫したそうで、「キャッシュバック長者」なる言葉まで出るほどでした。

SIMフリーになるとこうしたサービスはなくなるでしょう。

3.MVNOのアフターサービスへの不安
大手キャリアは、各地に多くの店舗を置いて、契約だけでなく、様々なアフターサービスに対応していますが、MVNOでは現時点でここまできめ細かなサービスを受けることは難しいでしょう。

スマホが水没してしまった、などというときには、大手キャリアなら近くにあるショップに駆け込めば即代替機を貸し出してくれますが、拠点の少ないMVNOなどでは厳しい状況が考えられます。


いかがでしょうか?

確かに料金が安くなるに越したことはありませんが、3社横並びの料金体系の中では、SIMロックがわれわれ一般ユーザーにとって、特に不便だったということもなかったわけで、今回の「SIMロック解除義務化」が魅力的かというと、正直よくわからないというのが現状でしょう。

詳しい人ならこれによって賢い利用の仕方がわかるのでしょうが、恩恵を受けられるのは、そうした一部の人だけのような気がしないでもありません。

総務省としては、3社の寡占状態を打開し、更なる競争を促したいようですが、料金の低下とともに、サービスも低下してしまっては、われわれにとって歓迎できるものではありません。

果たして、2015年に実施されるだろうこの「SIMロック解除」が通信業界をどう変えてしまうのか…

あまりワクワクせずに待ちたいと思います。


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この記事へのコメント
SIMロックは制限をかけ、しばるのですから、制限をかけない自由度があるSIMロックフリーがよいのは明白だ。
ロックはしばり、フリーは自由。
Posted by e-device at 2014年09月09日 11:00
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