先日、各メディアで報じられていましたが、ストーカー行為の規制のあり方などを議論してきた警察庁の有識者会議が、報告書をまとめました。

報告書では、ストーカー規制法の罰則の引き上げが提言され、LINEなどSNSを使ったメッセージ送信も新たな規制対象とするよう求めています。
これを受け、警察庁では罰則の強化を進める方針で、ストーカー規制法の改正を急ぐようです。

背景にあるのは、ストーカー被害の急増です。



昨年1年間の被害件数はついに2万件を超えて過去最多となっており、10月に東京・三鷹市で起きた、高校3年生女子殺害事件での警察の対応の甘さなども大きく影響していると見られます。

これまでストーカー被害への対応は、被害者が警察に相談すると、まずは罰則のない「警告」が出されるだけでした。

「警告」にも応じない場合、はじめて罰則のある「禁止命令」が出されるのですが、この「禁止命令」を出すには、公安委員会の聴聞手続きというものを経なければならず、1ヶ月近くかかるのがほとんどだそうです。

緊急性を要するようなケースでは、こうした手順を踏んでいる間に重大事件に至る危険もあるわけです。

そこで、検討会では「警告」を経ず、現場が臨機応変に「禁止命令」の出せる仕組みを検討するよう求めています。

また、罰則の重さも、これまでは「禁止命令」に違反しても、最大で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっており、逮捕されても多くは短期間で釈放される実態を指摘し、罰則の引き上げも求めています。

更に、これまでは2012年の神奈川県・逗子市のストーカー殺人事件を踏まえ、連続でメールを送る行為が禁止されていました(昨年から)が、これをLINEなどSNSへのメッセージ送信にも対象を広げるよう求めています。


三鷹ストーカー殺人事件での容疑者のLINEメッセージ




さて、みなさん今回のストーカー規制法の厳罰化についてどう感じたでしょうか?

確かに、1999年の桶川事件や、一昨年の逗子、昨年の三鷹事件など、殺人にまで及ぶストーカー行為はあまりにも痛ましく、こうした事件を繰り返してはならないと思います。

「警告」を経ずに「禁止命令」が現場の判断ですぐ出せるようにする、という提言は確かに必要だと思いますし、対応窓口の強化や警官の増員も、被害件数の増加を見れば異論はないでしょう。

しかし、メールもそうですが、LINEやtwitterなどへの規制が果たして必要なのか、そもそも効果があるのかについては、大いに疑問が残ります。



なぜなら、メールにしてもSNSにしても、受信を拒否することは可能であり、また、どの時点で「正常」と「異常」を分けるのか、明確な基準を設定することがとても難しいからです。

もし「被害者が“恐怖と感じる”と言えば、その時点でストーカー行為とみなす」だったら、怖くておちおちラブレターも出せなくなります。

返事がないので心配になって、次々とメッセージを送信したら?…

大体恋をしているときなんて、絶対正常な精神状態じゃないわけですから、正常と異常の境界なんてわかるはずもありません。

今でこそ「ストーカー」と呼ばれ、「犯罪」と認識されるようになりましたが、同様の行為は昔からあったものではないでしょうか?

そんなことを考えながら上述の統計を見てみると、実際のところはストーカー行為自体が増えているわけではなくて、「ストーカー行為と感じる人」が増えているだけ、または「ストーカー行為を警察に相談しやすくなった」だけではないかとさえ思えてきます。

殺人に至るような重大事件を防ぐという意味でなら、罰則の対象を広げることが、根本的な解決につながるとは、私には到底思えないのです。

「警告」や「禁止命令」が、逆に加害者を精神的に追い込むことになり、結果として殺人に至るようなケースも考えられるわけで、精神的な障害を罰則の強化で押さえ込めるとは思えません。

それよりも大切なのは、そうした異常者を生み出さないような社会を作ることであり、心のケアの充実を図ることではないでしょうか。

例えば地域社会の崩壊というのも、ストーカーのような行為への抑止力を失った要因ではないかと思います。

少子高齢化の今、地域で人を守る環境を取り戻すことも大切だと思います。

また、根本は先日の佐世保高校生殺人事件も同様だと思いますが、「危ない」人間を野放しにせず、容易に精神ケアを受けさせられるような仕組みづくりも必要でしょう。

今回の報告書での提言は、「ストーカー被害の件数を減らす」という意味では正しいのかもしれませんが、およそ対症療法的であり、規制のあり方については大きな問題も含んでいると言わざるを得ません。

報道を見る限り、早急に法改正が行われる流れのようですが、もしSNS等の規制も盛り込まれるとしたら、ますます息苦しい社会になってしまうのではないかと心配です。

もはや「101回目のプロポーズ」なんて危険すぎるし、「男なら押して押して押しまくれ!!」なんて言葉は犯罪を助長するものとして忌み嫌われるようになるでしょう。

かくして、“肉食系”は絶滅し、若者は恋愛に対して臆病になり、少子化は更に深刻に…

ヒジョーに片思いのしづらい世の中へと変わっていくような気がしてなりません。




※決してストーカー犯罪を助長するものではありません


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