2008年06月21日

さくら

さくら

最近、心の外的刺激に対する抵抗力が落ち
ているせいか、いろんな場面で自分の行動
パターンが変わってきていることに気づく。

例えば、これまで殆ど興味のなかった小説
という類の本を読むようになった。
たぶんに活字を追っていると余計なことを考
えずに済むからであり、そういう意味では内
容を理解するしないとに拘わらず、小説とい
うテキスト三昧の媒体は最適なのかも知れな
い。

なので、特に作家を決めてシリーズで読むと
か、そういうことはまったく考えない。

一番良いのは、以前イバラキングが紹介して
くれた「小説宝石」(実はこれがきっかけ)の
ような、時代物やら推理小説やらパロディ短
編やら、いろんなジャンルがごちゃ混ぜになっ
たオムニバス雑誌。

それでも最初は本当に気が向いた時しか
読まなかったから、3月号の「小説宝石」を
読み終えた時には、なんと6月号が発売され
てたりして、連載ものは展開がまったくわか
らなかったり、終わってしまったものもあった。

でも、これも続きが楽しみ…って感じで読ん
でいるわけではないので、別段モーマンタイなの
だった。

だから、これは面白そうとか、面白くなさそう
とか色分けすることもなく、選り好みせず全
てを読み切っている。

誤解を恐れずに言うと、読書というよりは迷
走、もとい、瞑想に近い。

そんな「小説宝石」6月号は、更にハートがナー
バスになったか、7月号の発売日前に読破し
てしまった。

さてどうしたものか、先日の連休の隙間に
“漫画目当てで”本屋に行ったはずが、何故
かこんな本(写真)を手にしていた。

『さくら』 西 加奈子著

もちろん“変質的”桜狂いの自分がそのタイト
ルに惹かれたのは間違いない。

だが、パラパラとめくっただけで、いやめくる
までもなく、それが“いわゆる桜”のことを書
いたものでないことは、オバカな自分にもわ
かった。

後で知ったことだが、昨年の暮れに出版さ
れたベストセラーだという。

帯には、いかにもそれらしき書評が踊る。

「この本はほんとうに人を幸せにしてしまう
力をもっている」
       (ブックファースト京都店・石坂大さん)

「素晴らしい本でした。なんだろう。うまくいえ
ません。この気持ちは。我が書斎の本棚の
殿堂入りです。何年ぶりかのことです。」
            (脚本家・岡田恵和さん)

「ただの感動じゃないらしい。感動する本は
たくさん読んできたけど、この本の感動は、
ほかの本と決定的に何かが違う。」
                   (31才・女性)

「本を読んで、いま付き合っている人とすぐに
でも結婚したくなりました。」
                   (21才・女性)

京都の本屋さんらしき石坂さんと脚本家の
岡田さんが実名なのに、何故かあとの2人
が「女性」としか書かれていないところが胡
散臭かったが、なんとなく乗せられた。

そんな「さくら」には、「5人と1匹の、まっすぐ
で、まっすぐで、まっすぐな物語」という見出
しが付いているが、うっかり同名タイトルのNH
K朝ドラのようなものを想像していたら、行っ
て帰って飛んでイスタンブールくらい違うからキヲ
ツケロ。

簡単に物語を解説すると、美しくて暖かい母
と無口で働き者の父の間に生まれた、美男
子で誰からも人気者の兄と、主人公の次男、
超美人だが性格に難ありの妹、そこで飼わ
れる「サクラ」という雌犬の5人と1匹の物語。

前半はこの上なく理想的で幸せな家族風景
が描かれるのだが、兄の事故とそれをきっ
かけにした自殺を機に、一家がバラバラになっ
ていく…

その中で唯一変わらない存在のサクラを交え
「家族」や「愛」というものに迫っていく。

生まれたてでもらってきたサクラが老犬になっ
て行くように、物心ついた頃の主人公が大
人になっていく中での家族それぞれの変化
を、様々な視点から捉えていくというもの。

上手く説明できないけど、なんだかいろん
な屈折した部分があって、それが時代性を
現しているのかもしれないけど、古いタイプの
「家族もの」とは違う感じだ。

それもそう、作者は1977生まれだって言うし。

まぁ、自分が2日で読破したんだから面白い
んだと思う。

ただ、「感動」って部分ではどうよ?

確かに自分自身の人生とオーバーラップするよ
うなところもあり、泣ける場面もあったけど、
スゲー感動!!とは言えないなぁ。

じゃあ、元気になったかというと、これも考え
てしまう。

若い女性だったら、もっともっと響くものが
あるのかもなぁ?と思うと、物語とは関係の
ないところで落ち込んだりする。

ああ、悲しきかな、オッサン。

次は中高年も元気の出るような本を探すか。

あ、「蟹工船」..........は違うなorz


『さくら』


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この記事へのコメント
Ugさん、騙されましたね、お涙ちょうだいのあざとくてだらだら話で素人ウケはいいがこんなのは小説じゃないと一部で評判の話題作ですからね。
歌や映画もそうだけど、最近は作品の良し悪しでなく、プロモーションにかけた金額でベストセラーなんか簡単に出来上がる時代になりました。
だから、私は新作は買わないで、文庫が出るころにしか買いません。
どうしても興味があるときは立ち読みで読み切り、それでも良かったら買います。

つまり、作られた虚像のまちづくりはお金をかけてプロモーションすれば一過的な注目を浴びることができるが、本物の地域資源はじわじわと、根強く息の長いファンを増やしていく事ができると言うことだと思います。

さくらがわーるど万歳!
Posted by なちゅらる at 2008年06月21日 09:10
>>なちゅらるさん

そうでしたか。
確かにAmazonのレビューも賛否両論て感じでした。

自分も実は編集者がイチオシする最終章がどうにも
それまでの展開と違う世界観になっちゃってて、
「落としどころがなくなったか?」と感じてしまう程
でした。

起承転…までは上手くて、凄く盛りあがって、期待
度MAXで突入した「結」でガクーンて感じかなぁ。

でも、良いの。

「さくら」というタイトルの本を買っただけだから(笑
Posted by 代表ug代表ug at 2008年06月21日 09:47
それじゃあ、おすすめを一つ

さくらももこ著 「さくら日和」 集英社

なんとさくらが二つも入ってますよ!
Posted by なちゅらる at 2008年06月21日 13:18
>>なちゅらるさん

早速ゲットします。
Posted by 代表ug代表ug at 2008年06月21日 15:18
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