「象徴としての桜」に思ふ

昨日、お札に描かれたサクラの話の中で「日本の国花であるヤマザクラが…」と書きましたが、日本の場合、「国花」はきちんと法律で決まったもの(成文法)はなく、慣習法と言われるいわば“暗黙のルール”として使われています。

そんな日本の国花は、実はひとつではなくて、「菊」と「山桜」の2つが使われてきました。
しかし、近年は「山桜」の部分も、種を問わず「桜」とするような傾向が見受けられて、寂しい気分にさせられます。

多分にソメイヨシノが日本全国を覆ったために、「桜=ソメイヨシノ」という感覚が日本人の中に根付いてしまったせいでしょう。

本居宣長の「敷島の大和心を人問わば 朝日に匂う山桜花」に代表される日本人の桜花観も、時代とともに大きく変わってしまったのだと思います。

山桜である「桜川のサクラ」に対する認識も然り。

桜川市の「花鳥木」は、実はトップ画像のものではありません。

「象徴としての桜」に思ふ

実際にはご覧の通り。

この花鳥木選定についてはいろいろと“苦い経験”があったので、その後は思い出さないようにしてきたのですが、この記事を書くにあたって、初めて市のHPの「市民憲章・花木鳥」のページを開いてみました。

そしたら、上述の国花同様、いつの間にか市の「木」も「ヤマザクラ」ではなく、単なる「サクラ」になっていたのでビックリです。

まぁ、私も年をとって丸くなったせいか、鼻で笑う程度で感情的になることもなくなりましたが、「選定理由」の項には唖然とさせられました。

それを抜粋してみます。

【選定理由】
桜川市の美しい桜は、謡曲「桜川」に謡われるなど、市民の生活の中に根付いています。また、大正13年には磯部の11種類の桜が国指定文化財の名勝に、昭和49年には天然記念物に指定されました。
春になると雨引山や御嶽山・加波山など、市内の山々はほんのりと桜色に染まります。場所によっては色々な風情が楽しめ、まさに市のシンボルとしてふさわしい木です。


解説全般が頭の悪い私には理解できないものではありますが、“オトナですから”いちいちツッコミを入れるようなことはもういたしません。

しかし、「名勝」の定義くらいは理解していて欲しかった。

11種の桜が「名勝」になってしまってはマズイでしょう。

「名勝」とは景勝地に与えられる称号であって、天然記念物とはまったく対象が違うんですから。

個人のHPならともかく、桜川市を代表するウェブサイトでこれはいただけません。

「桜川のサクラ」がどうこうというのではなくて、市の文化レベルが疑われてしまいます。

桜川市の名誉のためにも早急に…

などと、今更言っても仕方ないですかね。

そんなことよりも、我らにとっては一刻も早く桜に肥料をあげることの方が大事。

市の「木」まで「サクラ」でなくなってしまわないよう頑張らねば!!

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