2013年05月27日

枝垂れ(シダレ)桜

枝垂れ(シダレ)桜
糸桜(櫻川磯部稲村神社)

「枝垂れ桜」を知らない人はいないでしょうが、枝垂れ桜という品種があのではなく、単に生長の早い枝が自重に耐えられなくなって垂れ下がってきたものだということを知る人は少ないようです。

本来は上に向かって伸びる枝が、柳のように枝垂れる姿が珍種として重宝され、古くから様々な園芸品種が作られてきました。
しかし、そのほとんどは「エドヒガン」をルーツとしています。

枝垂れ(シダレ)桜
枝垂れではない本来の姿のエドヒガン(櫻川磯部稲村神社)

有名な「三春の滝桜」ももちろんエドヒガン。

櫻川磯部稲村神社にある「糸桜」もエドヒガンです。

枝垂れ(シダレ)桜
「糸桜」

エドヒガン本来の樹形は独特で、一目でそれとわかるほどですが、これを見るとあーなるほど“枝垂れに向いた”樹形だなぁということがわかります。

枝垂れ(シダレ)桜
左が枝垂れのエドヒガン(糸桜)、右が本来のエドヒガン

山桜系統でも「枝垂れ山桜(別名:仙台枝垂れ)」という、枝垂れの品種もありますが、エドヒガンのように生長が早くないせいか、あまり樹高が高くならず、風に揺れるような細い枝でもないため、今ひとつパッとしません。

枝垂れ(シダレ)桜
仙台枝垂れ

なので、磯部桜川公園にも仙台枝垂れが植えられていることを知る人はほとんどいないでしょう。

枝垂れ桜の名所といえば、先の三春の滝桜の他にも、秋田角館の武家屋敷や京都円山公園の枝垂れなど、全国各地にありますが、それらの特徴としては「一本桜」の名所であるということが言えると思います。

角館にはずらっと並ぶ枝垂れ桜が見られますが、それにしてもソメイヨシノのような植栽ではなく、「枝垂れ桜並木」というのもあまり聞きませんし、やはり群桜には適していないように思います。

ところでこの枝垂れ桜、枝垂れた枝はどこまでも伸びる(枝垂れる)ものではなく、きちんと地面に付く寸前で生長が止まるのをご存知でした?

斜面などに植えると、主幹のある地面の高さよりも下まで伸びるのですから、なにやらセンサーのようなものが働いて地面を察知しているようです。

そんな姿を見ていると、桜も生き物なんだなぁということを実感させられます。

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