2013年08月14日

サクラの熱中症対策

サクラの熱中症対策

連日猛暑が続いていますが、暑さ続きは植物にとっても厳しい環境であることに変わりはありません。

「こまめに水分を…」とか、「日中の外出を控えて…」とか、桜川市では毎朝防災無線で熱中症対策を呼びかけているほどですが、果たして植物はどうやってこの暑さを乗り切っているのでしょうか…
為すがまま、水分が切れたら枯れる…と思っている方は、プランターの植物しか見ていない方です。

植物もこの暑さから身を守るために、必死に対策を練っています。

桜の熱中症(?)対策は、トップ画像をご覧いただければわかるように「葉を丸める(折りたたむ)」ことです。

これだけみるととても桜のように見えないでしょ?

サクラの熱中症対策
山桜は葉の裏が白いのでよくわかります

まるで、栗の木のように葉が細長くなっているのがおわかりだと思います。

「暑さで萎れてしまった」と思うかもしれませんが、これは桜が日を避けるために意図的に行う行動なのです。

『葉っぱが大事なんですよ』『陰葉と陽葉』、また『真っ赤に紅葉してる』などで、桜の葉について書いてきましたように、桜の生長にとって葉の働きはとても大切です。

植物は置かれた環境に応じて、様々な葉の形を形成しますが、比較的大きな葉を持つ桜は、より多くの光を捉える(光合成をする)のに適しているものの、強すぎる光や高気温下では、水の損失が多すぎて葉灼けを起こしてしまいます。

これに対処するために、桜は自らの葉を丸めて、時に日光に背を向けて、光を受ける面積を減らしているというわけです。

サクラの熱中症対策
太陽に背中を向けているソメイヨシノの葉

逆説的に言えば、より大きな葉を持つ木が、湿潤な日陰地に多いのはこうした理由からです。

さて、他の植物ではどうかというと、桜のように葉を折りたたむだけでなく、様々な工夫を凝らしています。

一例を挙げると、日本にも多くある「モミジバフウ」という北米から中南米原産の落葉高木は、春先から晩夏にかけて次々と葉を出していきますが、春先に出た葉は切れ込みが少なく、陽を多く受けられる形になっており、真夏~晩夏にかけて出てくる葉は、切れ込みが深く光を受ける面積を小さくしています。

サクラの熱中症対策
これは春先の切れ込みが少ない時期のもの

他にも、わずかな風でも葉が揺れるようにしているヤマナラシや、それこそオジギソウのように触れただけで一瞬にして萎れる木もあり、それらを見ると植物も生き物なんだなぁということがよくわかります。

まだしばらくは夏日が続くようですが、桜川のサクラ達にも頑張ってこの夏を乗り切って欲しいと思います。

もちろん、私は「涼しい室内でビールを飲んで過ごす」という猛暑対策で乗り切るつもりです^^;

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