『40フォーティー 翼ふたたび』

最近テレビでよく見かける石田衣良という人の本を読んでみた。

「池袋ウェストゲートパーク」シリーズとか、直木賞作家とか、そんなことまっ
たく知らずに買ったのは、単に『40フォーティー』という、自分のようなオッ
サン世代を書いたらしきタイトルに惹かれたからであった。

して、中身はその通り40プラスマイナス2歳くらいの登場人物ばかり。

いわゆる“アラフォー”世代の物語だ。
「40歳から始めよう!!」をテーマにした7つの短編からなり、それぞれが
繋がった連作集なのだが、正直いわゆる“ごく普通の40歳”とはちょ
っと違う登場人物達にリアリティーを感じることはなかった。

しかし、40歳前後の人間の持つ「諦観」とまではいかないが、ある
程度自分の置かれている状況や将来を、現実的且つ客観的に見
られるような主人公の目線には共感を覚えた。

まだ若いと思いながら、気がつけば若い子達との間には決定的な
ジェネレーションギャップが生まれ、いつしか「夢」は「見えてしまいそうな
明日」へと姿を変えた。

丁度人生の半ばを過ぎ、もう変われないと知りながらも、まだすべ
てを諦められず揺れ続けている。

いろんな意味で過渡期にある40代が、後半の人生を生きていく上
で追い求めるべき「幸せ」とは何か…

な~んて書きながら、実は真剣に考えることもないのが40代だ(笑


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この記事へのコメント
次は1Q84ですか?
昨日読み始めましたが集中できず10ページくらいでストップしました。

ちなみに僕は1Q58ですがIQも同じくらいかも。
Posted by 万城目 淳万城目 淳 at 2009年05月30日 09:17
ほおお、ugさんも好きだったんですね~(・∀・`)ノシ
Posted by 万城目 淳万城目 淳 at 2009年06月02日 23:15
>>万城目 淳さん

話題ですね。

パッと見た時は“IQ”84だと思ったんですが、1Q84(いちきゅうはちよん)
なんですね。

春樹は読んだことないんです。

ていうか、そんな高い本を買う気にはなれないので、単行本になるのを
気長に待ちます。

その前に古本屋で安いのを探して『ノルウェイの森』から始めますか。
Posted by ugug at 2009年06月03日 00:58
近過去小説ってのは新しいような珍しくないような微妙な感じだよね。

ちょっと違う過去ってことなら「K-20」が面白かったな。
Posted by 万城目 淳万城目 淳 at 2009年06月04日 11:35
>>万城目 淳さん

>近過去小説ってのは新しいような珍しくないような微妙な感じだよね

正直自分の歳だと、先の「オールウェイズ~3丁目の夕日」なんかの世界観は
少し上の世代の話しだし、昭和をシンボライズするような出来事って殆どない
んですよ。

だから、更に今ひとつ微妙な感じなのかもしれません。

『K-20』…

映画のノベライズ本ですね。
たまにはそういうの読んでみようかな。
Posted by ug at 2009年06月10日 03:01
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