2013年06月18日

野山にある花筏

野山にある花筏

桜川のイメージもあって、私は日本古来の文様である「花筏」が大好きなのですが、日本全国の野山に同じ名前の植物が自生しているのをご存知でしたか?

日本や中国が原産のミズキ科の落葉低木(1m~2m)で、春に葉の真ん中を走る葉脈上に花を付ける面白い植物です。
野山にある花筏
花が数個付いている雄株

花の載った葉を筏に見立てて「花筏(ハナイカダ)」の名前が付いたそうですが、雌雄異株で、花弁が3、4枚の花を雄株は数個、雌株は1、2個付けるのが特徴です。

野山にある花筏
雌株の若い果実

雌株は花後に実を付けますが、熟すと桜の実と同様に真っ黒になり食べられるそうです。

野山にある花筏
熟した果実 甘くて美味しいらしい

また、若葉も山菜のように天ぷらにしたり、茹でて食べられるそうで、かの貝原益軒も「食ふべし、美味なり」と評しています。

乾燥させた葉は、下痢止めの薬草としても用いられてきました。

残念ながら花期は4月から5月なので見ることは出来ず、果実ももう終わってしまっているでしょうから、探し出すのは困難かもしれません。

というか、なかなか見かけない貴重な木というので、花期でも見つけるのは難しいかも?

園芸店で売られているようなので、“花筏好き”としては是非購入して育ててみたい植物です。

ちなみに、文様としての花筏は↓の「高台寺霊屋須弥壇花筏蒔絵」(蒔絵の階段)がオリジナルです。

野山にある花筏
京都東山・高台寺「花筏」蒔絵(桃山時代・重要文化財)

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この記事へのコメント
ハナイカダは牛久自然観察の森で見かけますが花と黒い実は見たことがありません。今度、注意して見て見ます。

追伸
今日、真壁のペンギンでランチします。
Posted by stk at 2013年06月18日 09:14
>>stkさん

ブログはいつも拝見させていただいてますが、お久しぶりです。

実は私、ハナイカダの実を見た覚えがあるのですが、どこで見たのか思い出せません。

牛久自然観察の森でないことは確かなのですが…^^;

私は、果たしてその辺の野山に本当にあるのか探してみたいと思っています。

ありがとうございました。
Posted by ug at 2013年06月18日 19:34
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