2008年09月06日

『みぞれ』

『みぞれ』

重松清の最新作『みぞれ』を読んだ。

1999年より2007年までに、「サンデー毎日」や「文藝
春秋」などに掲載された11の作品を集めた短編集。
「息をするように“お話”を書きたい」という氏のあと
がき通り、いわゆる作り込まれた「小説」とは違う、
様々な文体で様々な年代の様々な場面を切りとっ
た“お話”。

氏の得意な短編連作と違って、11の作品に特に
共通項があるわけではなく、どの作品から読み始
めても良い内容になっている。

氏が「不ぞろいな“息づかい”」というように、各作
品の文体はバラバラで、ともすれば多数の作家に
よるオムニバス作品のように捉えられそうだが、氏
独特の描写が根底にあるためか、それを感じさせ
ることはない。

とはいえ、退屈な作品が多かった。

特にこれといって印象に残るものもない。

そういう意味では「息をするように“お話”を・・・」
は成功しているのかも知れない。

でも、自分としては「息をするように読む」のは退
屈極まりなく、もう少し喜怒哀楽のある、心を動か
される作品を求める。

というわけで、中には途中飛ばし読みしたものや、
細部まで読まなかったものまであった。

作品のタイムスパンもあってか、やはり「寄せ集め」の
感が否めない作品だった。

これにて、先日入手した重松作品を読み終えた
わけだが、今の自分にとって“本切れ”はヤバイの
で、早速仕入れに・・・

他の作家にしようとも思ったが、特に食指を動か
す作品もなく、結局また重松作品にした。

短編集が続いたので、2002年に発表された長編
の『流星ワゴン』を選んだ。

「本の雑誌」で年間ベスト1に選ばれた作品らしい。

楽しみ。

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