2013年05月01日
沖縄と北海道のサクラ前線

「寒緋桜」
今日から5月、サクラ前線もいよいよ本州最北の青森県に入ってきたようですが、津軽海峡を渡って北海道に入ると、ちょっと様子が変わってきます。
実は、北海道南部から北になると、基準となるサクラの種類が変わってしまうからです。
ここでも何度か書いてきたのでご存じの方も多いと思いますが、そもそもサクラ前線とは、クローンであるソメイヨシノあってのものなのです。
同じ環境ならば一斉に咲き、一斉に散るので○月○日開花と宣言できるんですね。
自生の桜だとこうはいかず、山桜のようにとんでもなく早く咲いてしまうものもあれば、ほとんどが散った頃咲き出すものもあったりと、どれを基準にしていいのか悩んでしまいます。
クローンであるソメイヨシノに覆われている日本だからこそ生まれた言葉というわけです。
とはいえ、ソメイヨシノが“覆っている”のは、九州~北海道南部の範囲で、沖縄や北海道のほとんどの地域にはありません。
では、沖縄や北海道には桜がないのかというとそういうことはありません。
沖縄の一般的な桜と言えば、自生種である「緋寒桜(ヒカンザクラ)」のことを指します。(トップ画像)
彼岸桜と間違われるので、最近は「寒緋桜」と呼ばれることが多いようですが、実際の花を見ればこちらは強烈に紅いので、彼岸桜と間違うことはないと思います^^;

約7000本の緋寒桜が彩る八重岳
別名、台湾桜(タイワンザクラ)や緋桜(ヒザクラ)などとも呼ばれていますが、ここでも書きました伊豆の「河津桜」は、この緋寒桜と大島桜の交配種として有名です。

“日本で一番早い”沖縄県本部八重岳の「桜まつり」
ソメイヨシノが当たり前の本州では「桜まつり」と言えば、ソメイヨシノを対象にしたものと思っていますが、沖縄でも緋寒桜の「桜まつり」が各地で行われています。
さて一方、北海道では、東北以北に多く自生する「大山桜(オオヤマザクラ)」が一般的な「桜」です。

「大山桜(オオヤマザクラ)」別名「エゾヤマザクラ」
北海道のほとんどの地域で見られるこのオオヤマザクラは、ヤマザクラに比べ葉や花が大きいことからこの名が付いたと言われていますが、寒緋桜同様こちらも自生の桜です。
北海道に多く自生することから、「蝦夷(エゾ)ヤマザクラ」とも呼ばれたり、花が山桜と比べて紅いことから「紅山桜(ベニヤマザクラ)」と呼ばれたりもします。

北海道和寒町塩狩峠 約1600本のエゾヤマザクラが植えられています
もちろん、北海道でも、このオオヤマザクラを対象とした「桜まつり」が各地で行われています。

北海道和寒町三笠山公園の「桜まつり」
というわけで、北海道と沖縄ではサクラ前線も、この2つの自生種でソメイヨシノの代替としているわけですが、事実上のサクラ前線は本州だけのものと言えます。
ちなみに、「寒緋桜」のサクラ前線については、ちょっと変わった特徴があるのですが、こちらについてはまた後ほど。
それにしても、奇しくも北と南で紅い花をつける桜が自生しているというのは面白いですね。
逆に、沖縄の桜まつりと、北海道の桜まつりを比べると、方や1月に始まり、方や5月の連休過ぎ(もっと北では5月下旬)と、これだけ時期が違うというのも面白い。
サクラ前線だけでなく、自生する桜の種類を見ても日本列島が南北に長いことを実感させられます。
同じ環境ならば一斉に咲き、一斉に散るので○月○日開花と宣言できるんですね。
自生の桜だとこうはいかず、山桜のようにとんでもなく早く咲いてしまうものもあれば、ほとんどが散った頃咲き出すものもあったりと、どれを基準にしていいのか悩んでしまいます。
クローンであるソメイヨシノに覆われている日本だからこそ生まれた言葉というわけです。
とはいえ、ソメイヨシノが“覆っている”のは、九州~北海道南部の範囲で、沖縄や北海道のほとんどの地域にはありません。
では、沖縄や北海道には桜がないのかというとそういうことはありません。
沖縄の一般的な桜と言えば、自生種である「緋寒桜(ヒカンザクラ)」のことを指します。(トップ画像)
彼岸桜と間違われるので、最近は「寒緋桜」と呼ばれることが多いようですが、実際の花を見ればこちらは強烈に紅いので、彼岸桜と間違うことはないと思います^^;

約7000本の緋寒桜が彩る八重岳
別名、台湾桜(タイワンザクラ)や緋桜(ヒザクラ)などとも呼ばれていますが、ここでも書きました伊豆の「河津桜」は、この緋寒桜と大島桜の交配種として有名です。

“日本で一番早い”沖縄県本部八重岳の「桜まつり」
ソメイヨシノが当たり前の本州では「桜まつり」と言えば、ソメイヨシノを対象にしたものと思っていますが、沖縄でも緋寒桜の「桜まつり」が各地で行われています。
さて一方、北海道では、東北以北に多く自生する「大山桜(オオヤマザクラ)」が一般的な「桜」です。

「大山桜(オオヤマザクラ)」別名「エゾヤマザクラ」
北海道のほとんどの地域で見られるこのオオヤマザクラは、ヤマザクラに比べ葉や花が大きいことからこの名が付いたと言われていますが、寒緋桜同様こちらも自生の桜です。
北海道に多く自生することから、「蝦夷(エゾ)ヤマザクラ」とも呼ばれたり、花が山桜と比べて紅いことから「紅山桜(ベニヤマザクラ)」と呼ばれたりもします。

北海道和寒町塩狩峠 約1600本のエゾヤマザクラが植えられています
もちろん、北海道でも、このオオヤマザクラを対象とした「桜まつり」が各地で行われています。

北海道和寒町三笠山公園の「桜まつり」
というわけで、北海道と沖縄ではサクラ前線も、この2つの自生種でソメイヨシノの代替としているわけですが、事実上のサクラ前線は本州だけのものと言えます。
ちなみに、「寒緋桜」のサクラ前線については、ちょっと変わった特徴があるのですが、こちらについてはまた後ほど。
それにしても、奇しくも北と南で紅い花をつける桜が自生しているというのは面白いですね。
逆に、沖縄の桜まつりと、北海道の桜まつりを比べると、方や1月に始まり、方や5月の連休過ぎ(もっと北では5月下旬)と、これだけ時期が違うというのも面白い。
サクラ前線だけでなく、自生する桜の種類を見ても日本列島が南北に長いことを実感させられます。
Posted by ug at 09:00│Comments(0)│サクラぐるひ
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