100年後には花見が出来なくなる?
読者の投稿によって全国の開花状況がわかるweathernewsの「さくら.Ch」については以前も書きましたが、同サイトに今年「Sakura Simulator 2009-2110」なるコーナーが出来ました。

これは、地球温暖化による気温変化で100年後の桜の開花状況がどうなっているかシミュレーションしたもの。
weathernews社が集めた過去6年間の開花データと、気温変化に関する政府間パネル(IPCC)を基に、同社独自のグリッドコンピューティング技術を用いたデスクトップアプリ「ソラマド」を使って、一般の方(約1万人)のPCと共同で算出したと言いますから、なかなか信憑性のあるデータです。

気温変化を「気温上昇最大」「気温上昇平均」「気温上昇最小」の3つのシナリオに分け、5年ごとの開花状況を、今年の東京の開花日である3/21を基準にシミュレーションしています。

3つのシナリオについてですが、「気温上昇最大」は、現在のように化石エネルギーを中心とした経済成長が続く場合で、「気温上昇平均」は、他のエネルギーをバランス良く利用した場合、「気温上昇最小」は、2000年時とCO2濃度が変わらない場合としています。

興味のある方は、是非各シナリオ毎のシミュレーションをご覧頂きたいのですが、これによると「最大」の場合、日本では4℃~7℃気温が上昇し、「平均」でも2℃~4℃の気温上昇が想定されるそうです。

では、こうした気温の上昇で桜の開花状況がどう変わってくるかですが、気温の上昇に伴って開花時期が早くなるという単純なものでもありません。

タイトルに書きましたように、実は東京から西の太平洋側では桜の開花自体がなくなってしまう地域が多くなってくるというのです。

これは、冬から春という季節の変化がハッキリしなくなってくるためで、この季節変化に応じた桜の開花というものが、日本海側や標高の高いところでしか見られなくなるそうです。

ここでも書きましたが、桜には「冬眠」が必要で、沖縄の桜が山の高いところから咲き始めるというのを思い出すと、なんとなく理解できるかもしれません。

100年後には花見が出来なくなる?
2110年3月21日の茨城県の開花状況 開花しない地域もあるのがわかります

また、開花しても見頃を迎えるまでに非常に時間が掛かるそうで、開花から見頃まで2週間を要すると言います。

もはやこの頃では「サクラ前線」はなくなっているというわけですね。

100年後というと遠い未来のように思いますが、“近い将来”である2050年で見ても相当な変化が出ています。

我々も「桜川のサクラ」を後世に残していこうと頑張っているわけですが、これも無駄な努力になってしまうのでしょうか…

そう考えると、地球温暖化がすごく身近な問題に思えてきました。

『Sakura Simulator』
『さくら.Ch』

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