2013年05月31日
まさに完熟

「ソメイヨシノには実がならないと言われるけれど…」で紹介した写真には、ほんのり赤らんできた山桜の実が写っていますが、現在は↑の写真のように、真っ黒に完熟しています。
ここまで熟す前に落ちてしまうものもありますが、この状態が種拾い(種摘み)の適期なのです。

なんだか美味しそうに見えるでしょ?でも、実際は凄く渋くてマズイです^^;
何度か書いていますが、桜の実の果肉には発芽を抑える物質があるので、人工的に種を取る場合、この果肉を取り除かなければなりません。
摘んだ種を網に入れて、水の中でこすり落とすのですが、黒く完熟したものならこれも容易です。

ご覧の通り簡単に種が現れます
こうして種を集めたら、乾燥させてから冷蔵庫で保存します。
これを秋口に撒くと来春発芽するというわけです。
こうやって種から育てた植物を「実生」と呼ぶわけですが、もちろん人工的に植えなくても、この時期山桜の周囲には、自然に発芽した実生がたくさん見つかります。

自然に発芽した実生苗
例年ならですが…
実は今年は、この冬の寒さのせいで、野生の実生がまったくと言って良いほど見あたりません。
「実生500本拾い上げ」に書いたような豊作の年もあれば、こういう年もあるんですね。
こんな時のためにも、苗木の確保には毎年の種拾いが欠かせないわけです。
山桜と付き合い始めて、気候と植物の密接な関係も理解できるようになってきました。
Posted by ug at 09:00│Comments(0)│サクラぐるひ
コメントフォーム