2014年01月09日
今年の恵方は東北東…2014「恵方巻」商戦

昨年の節分に『豆まきはしましたか?』で書きましたが、節分に豆まきをする習慣が廃れつつある昨今、関西発祥の「恵方巻」を食べる人は関東にまで広がっています。
調べたところ、2006年調査の時点で恵方巻を食べたと答えた人は、全国平均で54.9%にも上ったそうです。
調査から7年経った今では、この数値ももっと上がっていることでしょう。
いつのまにこんなに浸透したのでしょうか?
そこには商魂たくましい業界の戦略と、「易きに流れる」家庭内事情の相乗効果があるようです。
「恵方巻」というネーミングを含め、仕掛けたのは大手コンビニチェーンのセブンイレブンですが、そのヒットにあやかって、各コンビニエンスストアやスーパーがこぞってこれを発売し始めたのはご存知の通り。
今ではその種類も多岐にわたり、いつのまにか巻き寿司全般…どころか、ロールケーキまでが節分用として売り出されたりしています。
関東の家庭にも浸透したのには「恵方を向いて食べる」というゲーム性のような部分もありますが、豆まきのように準備や片付けに手間が掛かることもなく、ただ食べればいいという簡便性も一役買っています。
太巻きをまるまる1本食べれば、それだけで十分一食分になりますし、市販のものを買って食べさせれば済むという、家庭の主婦にとってこんな楽なことはありません。
この辺りの事情についてはAll Aboutの『2014恵方巻の方角と謎を解明』が解説してくれています。
頭の硬い私は、なんとなく業界の戦略に乗るのも嫌だし、「悪貨は良貨を駆逐する」グレシャムの法則のようにも思えて、特に気にもしていなかったのですが、昨年とうとう家の母親までこれを買ってきたのには驚きました。
さすがに買ってきてしまったものは食べないわけにはいかず、恵方も向かずに単なる太巻きとしていただきましたが、もはや流れに抗うよりも、クリスマスケーキよろしく、この手のものは楽しんでしまった方が良いのかもしれません^^;
そんなわけで、「どうせなら美味しいものを…」と、今年もたぶん“食べさせられる”だろう、「恵方巻」について調べてみました。
大手コンビニ、スーパーの「商魂」をとくとご覧あれ。

まずはなんといっても、今年で恵方巻発売25周年を迎える“仕掛け人”のセブンイレブンです。
意外や種類はさほど多くなく、ロールケーキ含め5種の発売。





「7品目の恵方巻」は、いかにも丸かぶり寿司といったサイズですが、他の商品は長さ8.5cm×直径4.5cmと小さめサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ13cm×太さ4.6cm
『セブンイレブンの恵方巻』

今年、並々ならぬ意気込みが伝わってくるのは、ファミリーマートです。
実に太巻き寿司6種、節分ロールケーキ4種、計10種類のラインナップは大手コンビニ中トップの品揃え。





お子様向けに今年からミニサイズも発売しているようですが、長さ9cm×太さ5cmといいますから、通常の巻き寿司サイズのようです。
恵方巻サイズ:長さ14cm×太さ5cm
『ファミリーマートの恵方巻』

ローソンは京都音羽山清水寺でご祈祷を受けた海苔を使用することで、「ご利益感」を演出しているのが特徴です。
品揃えは最少の3種ですが、中華まんでサンクスが取り入れた“業界とのコラボ商品”、叙々苑監修の「焼肉太巻」は意欲作。




恵方巻サイズ:長さ13cm×太さ5cm
『ローソンの恵方巻』

中華まんではダントツの品揃えだったサークルKサンクスも、恵方巻では4種類とややトーンダウン。
今年はミッキー&ミニーとのコラボが目玉のようです。



サンクスの恵方巻はコンビニの中では一番大きなサイズで、なかなか食べ応えがありそうです。
恵方巻サイズ:長さ15cm×太さ4.5cm
『サークルKサンクスの恵方巻』
以上が大手コンビニの商品ですが、スーパーマーケットでは更なるバラエティに富んだ商品が並んでいました。
とてもすべてを紹介することはできませんので、ここではセブンイレブンの元親会社でもあるイトーヨーカドーと、イオン、そして茨城の誇るスーパーマーケット、カスミの3店をご紹介します。

さすがスーパーマーケット、圧巻の10種展開ですが、中には3種セットもあって、これらを含めると凄い数のラインナップです。
間違いなく、意欲度ナンバー1。
しかも、コンビニよりも格段に具材が美味しそうです。




サイズもコンビニより一回り大きいサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ5cm
『イトーヨーカドーの恵方巻』

今年のイオンの恵方巻は、ドラえもんとのコラボ商品が目玉。
「ドラえもんの恵方巻」には、なんと「どら焼きの皮」が具材に入っていますが、その他はイトーヨーカドーのようにバラエティ豊かな商品が揃うわけでもありません。





サイズは、こちらもイトーヨーカドー同様、コンビニよりも大きいサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ5cm(程度)
『イオンの恵方巻』

つくばちゃんねるブログですから、茨城の誇るスーパーKASUMIを忘れるわけにはいきません。
実はカスミも恵方巻にはかなり力を入れていて、まぐろを中心とした海鮮系の太巻きは他にはない存在感です。
なんといっても、本マグロの中トロを具材としてでなく、海苔の代わりに使った「極みの天然本まぐろ巻」は圧巻。




もちろんこちらも、スーパーマーケットサイズです。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ4.5cm~5cm
『カスミの恵方巻』
とまぁ、コンビニとスーパーマーケットの恵方巻商戦をお届けしてみましたが、最後に紹介したい商品がもうひとつあります。
実は、私が恵方巻について書こうという気持ちになったのは、この商品のニュースを目にしたからなのです。

あの“ホカ弁”で有名なHottoMottoが、今年ついに恵方巻を発売するというニュースが飛び込んできました。
しかもこれが普通の太巻きではなく、HottoMottoの主力商品である「のり弁当」と「から揚げ弁当」をそのまま太巻きにしてしまったというからスゴイ。

「のり弁巻」はまさに、HottoMottoの「のり弁」そのままの具材でできています。

「のり弁当」(左)と「からあげ弁当」
ロールケーキまで「節分用」として販売される昨今、そんな風潮をバカにしたような商品に私はいたく感動してしまいました。
『HottoMottoの恵方巻』
こうなりゃ、「やきそば巻」だの「カレー巻」だのが発売される日が来るのもそう遠くないことでしょう。
七面鳥をいつのまにかケンタッキーフライドチキンに取り違えてしまった国ですから、もはや本家「まるかぶり寿司」に関係なく、巻いたものならなんでもOK、「納豆巻き」だって「エビマヨ巻」だってなんでもいいわけです。
商品がここまで「なんでもあり」になってくると、ご利益を得るという神妙さがどんどん薄れてきて、18cmもある太巻きを恵方に向かってもくもくと(喋ってはいけないらしい)食べている姿はなんだか滑稽に思えてくるし、正直“バカバカしい”習慣に思えてなりません。
果たしてこの行きすぎた姿が「恵方巻」を発展に導くのか、または一時の流行に終わらせてしまうのか、私としてはこのままでは後者に向かう気がしてならないわけですが、今後の業界の動向に注目してみたいと思っています。
あ、私ですが、今年は是非「のり弁巻」を食べてみたいと思います。
いつのまにこんなに浸透したのでしょうか?
そこには商魂たくましい業界の戦略と、「易きに流れる」家庭内事情の相乗効果があるようです。
「恵方巻」というネーミングを含め、仕掛けたのは大手コンビニチェーンのセブンイレブンですが、そのヒットにあやかって、各コンビニエンスストアやスーパーがこぞってこれを発売し始めたのはご存知の通り。
今ではその種類も多岐にわたり、いつのまにか巻き寿司全般…どころか、ロールケーキまでが節分用として売り出されたりしています。
関東の家庭にも浸透したのには「恵方を向いて食べる」というゲーム性のような部分もありますが、豆まきのように準備や片付けに手間が掛かることもなく、ただ食べればいいという簡便性も一役買っています。
太巻きをまるまる1本食べれば、それだけで十分一食分になりますし、市販のものを買って食べさせれば済むという、家庭の主婦にとってこんな楽なことはありません。
この辺りの事情についてはAll Aboutの『2014恵方巻の方角と謎を解明』が解説してくれています。
頭の硬い私は、なんとなく業界の戦略に乗るのも嫌だし、「悪貨は良貨を駆逐する」グレシャムの法則のようにも思えて、特に気にもしていなかったのですが、昨年とうとう家の母親までこれを買ってきたのには驚きました。
さすがに買ってきてしまったものは食べないわけにはいかず、恵方も向かずに単なる太巻きとしていただきましたが、もはや流れに抗うよりも、クリスマスケーキよろしく、この手のものは楽しんでしまった方が良いのかもしれません^^;
そんなわけで、「どうせなら美味しいものを…」と、今年もたぶん“食べさせられる”だろう、「恵方巻」について調べてみました。
大手コンビニ、スーパーの「商魂」をとくとご覧あれ。

まずはなんといっても、今年で恵方巻発売25周年を迎える“仕掛け人”のセブンイレブンです。
意外や種類はさほど多くなく、ロールケーキ含め5種の発売。





「7品目の恵方巻」は、いかにも丸かぶり寿司といったサイズですが、他の商品は長さ8.5cm×直径4.5cmと小さめサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ13cm×太さ4.6cm
『セブンイレブンの恵方巻』

今年、並々ならぬ意気込みが伝わってくるのは、ファミリーマートです。
実に太巻き寿司6種、節分ロールケーキ4種、計10種類のラインナップは大手コンビニ中トップの品揃え。





お子様向けに今年からミニサイズも発売しているようですが、長さ9cm×太さ5cmといいますから、通常の巻き寿司サイズのようです。
恵方巻サイズ:長さ14cm×太さ5cm
『ファミリーマートの恵方巻』

ローソンは京都音羽山清水寺でご祈祷を受けた海苔を使用することで、「ご利益感」を演出しているのが特徴です。
品揃えは最少の3種ですが、中華まんでサンクスが取り入れた“業界とのコラボ商品”、叙々苑監修の「焼肉太巻」は意欲作。




恵方巻サイズ:長さ13cm×太さ5cm
『ローソンの恵方巻』

中華まんではダントツの品揃えだったサークルKサンクスも、恵方巻では4種類とややトーンダウン。
今年はミッキー&ミニーとのコラボが目玉のようです。



サンクスの恵方巻はコンビニの中では一番大きなサイズで、なかなか食べ応えがありそうです。
恵方巻サイズ:長さ15cm×太さ4.5cm
『サークルKサンクスの恵方巻』
以上が大手コンビニの商品ですが、スーパーマーケットでは更なるバラエティに富んだ商品が並んでいました。
とてもすべてを紹介することはできませんので、ここではセブンイレブンの元親会社でもあるイトーヨーカドーと、イオン、そして茨城の誇るスーパーマーケット、カスミの3店をご紹介します。

さすがスーパーマーケット、圧巻の10種展開ですが、中には3種セットもあって、これらを含めると凄い数のラインナップです。
間違いなく、意欲度ナンバー1。
しかも、コンビニよりも格段に具材が美味しそうです。




サイズもコンビニより一回り大きいサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ5cm
『イトーヨーカドーの恵方巻』

今年のイオンの恵方巻は、ドラえもんとのコラボ商品が目玉。
「ドラえもんの恵方巻」には、なんと「どら焼きの皮」が具材に入っていますが、その他はイトーヨーカドーのようにバラエティ豊かな商品が揃うわけでもありません。





サイズは、こちらもイトーヨーカドー同様、コンビニよりも大きいサイズとなっています。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ5cm(程度)
『イオンの恵方巻』

つくばちゃんねるブログですから、茨城の誇るスーパーKASUMIを忘れるわけにはいきません。
実はカスミも恵方巻にはかなり力を入れていて、まぐろを中心とした海鮮系の太巻きは他にはない存在感です。
なんといっても、本マグロの中トロを具材としてでなく、海苔の代わりに使った「極みの天然本まぐろ巻」は圧巻。




もちろんこちらも、スーパーマーケットサイズです。
恵方巻サイズ:長さ18cm×太さ4.5cm~5cm
『カスミの恵方巻』
とまぁ、コンビニとスーパーマーケットの恵方巻商戦をお届けしてみましたが、最後に紹介したい商品がもうひとつあります。
実は、私が恵方巻について書こうという気持ちになったのは、この商品のニュースを目にしたからなのです。

あの“ホカ弁”で有名なHottoMottoが、今年ついに恵方巻を発売するというニュースが飛び込んできました。
しかもこれが普通の太巻きではなく、HottoMottoの主力商品である「のり弁当」と「から揚げ弁当」をそのまま太巻きにしてしまったというからスゴイ。

「のり弁巻」はまさに、HottoMottoの「のり弁」そのままの具材でできています。

「のり弁当」(左)と「からあげ弁当」
ロールケーキまで「節分用」として販売される昨今、そんな風潮をバカにしたような商品に私はいたく感動してしまいました。
『HottoMottoの恵方巻』
こうなりゃ、「やきそば巻」だの「カレー巻」だのが発売される日が来るのもそう遠くないことでしょう。
七面鳥をいつのまにかケンタッキーフライドチキンに取り違えてしまった国ですから、もはや本家「まるかぶり寿司」に関係なく、巻いたものならなんでもOK、「納豆巻き」だって「エビマヨ巻」だってなんでもいいわけです。
商品がここまで「なんでもあり」になってくると、ご利益を得るという神妙さがどんどん薄れてきて、18cmもある太巻きを恵方に向かってもくもくと(喋ってはいけないらしい)食べている姿はなんだか滑稽に思えてくるし、正直“バカバカしい”習慣に思えてなりません。
果たしてこの行きすぎた姿が「恵方巻」を発展に導くのか、または一時の流行に終わらせてしまうのか、私としてはこのままでは後者に向かう気がしてならないわけですが、今後の業界の動向に注目してみたいと思っています。
あ、私ですが、今年は是非「のり弁巻」を食べてみたいと思います。
Posted by ug at 22:00│Comments(0)│ざっき
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